【書評】AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55
みなさんこんにちは、サイモンさんです。
先日のブログでも少し取り上げました、「AI世代のデジタル教育」を読み終えたので僭越ながら書評を書きたいと思います。
- 作者: 五十嵐悠紀
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2017/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者:五十嵐悠起
1982年生まれ。
東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。明治大学総合数理学部専任講師。専門はコンピュータグラフィックス。素人が自ら創造し楽しむことができるためのCG技術を研究している。2男1女の母。
(「AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55」巻末自己紹介文より)
一昔前は、ITツールと言えばコンピュータが代表的で、私が中学時代は良く家族が使わない時間に、同級生とオンラインゲームを楽しんでいました。
今では当たり前の動画共有サイトも、その頃は配信者になるにはそれなりのハードルの高さがあり、そこが発信者とそうでない人の壁を作っていたように感じます。
それが今では1人1台のスマートフォン・タブレットが当たり前のような時代になり、インターフェース設計が優秀過ぎて特別に学ばなくともたくさんのことが出来るようになりました。
今子どもに身につけさせたい力
第1章・第2章で紹介した、AI世代に必要になるスキルをもとに、幼児期にきたえたい力を、「考えて行動する力」「成果を出す力」「人と共に生きるための力」「学習の土台となる力」「社会を知る力」に分け、それに加えて「親が意識しておきたいこと」までを見ていきましょう。
上記5つの力について、具体的な鍛える方法を取り上げながら、何故必要なのかということを説明しています。
詳しくは本を読んでいただきたいのでここでは書きませんが、「考えて行動する力」のボリュームが他に比べて多くなっています。
タイトルにもある通り、情報化する社会においてプログラミングの能力や、プログラミング的な考え方である論理的思考の重要性について説いていますが、あくまで育児・教育という視点であり、結果として見える成績ではなく、目に見えない考える力であったり、成果を発信しようとする姿勢について育てるべきだと読み取れました。
また、親が意識しておきたいことでは、子どもに使わせるためには、そのアプリやツールの危険性(怪我等の物理的なものではなく個人情報のような情報の漏洩等)を把握する必要があることを書いています。
ただそこも、ただ親が頭ごなしに「〇〇してはだめ!」とか「こうしなさい!」というように伝えずに、「〇〇したらどうなると思う?」「こうすると危険だけど何でか一緒に考えてみようか!」と言った声かけの仕方を工夫することで、それも教育に変えてしまえます。
ある程度の年齢になれば、子どもは自分の興味を持ったことを調べたりして、自ら学修に取り組むようになります(勉強しなさいと言ってそれを阻害する要因はいくらでもありますが…)。
しかし、小さな子どもは親のやることをやってみたり、兄弟に触発されて一緒にやってみる機会もたくさんあると思います。
その時に、親は与えるだけでなく一緒に取り組むことで子どもが成長する環境を作ることが出来ます。
今私は23歳で、デジタルネイティブ世代です。
そのため、コンピュータやデジタルなモノに対する抵抗感というものがほとんどありません。
それでも時を経るごとに自分の知らないモノや技術が出てきて、それを一から学ぶにはどうしても時間も労力も掛かってしまいます。
ですが、自分に子どもが生まれたら、間違いなく私が歩んできた人生以上に周りはデジタルに囲まれ、AIに囲まれる人生を歩むことになるでしょう。
そんな時親が、「私はそういうの苦手だし分からないから教えられないわ」なんて姿勢でいたら、子どもに成長して欲しいと思ってもその願いは叶わないでしょう。
これからの時代「私は理系じゃないから知らないし学びもしないわ」なんて言っていられなく時代になっていくと思います。
その時代を生きるこれからの子どもたちに、AIに仕事を取って変わられないようにするには、やはりそれを上手く使いこなす創造力が必要になっていくことでしょう。
この本は1つのきっかけかもしれませんが、一度目を通す程度でも読んでみることをお勧めします。